孤毒の果て

成人後自閉症スペクトラム、アル中・双極性障害とも診断される診断された当事者ブログ。孤独な男。据え置きゲームを処分して趣味はカメラへと移行、ミニマル生活へ。

映画「セッション」を見たが最高だった レビュー

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あらすじ

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名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するニーマン(マイルズ・テラー)。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー(J・K・シモンズ)だった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。

キャスト

  1. アンドリュー・ニーマン - マイルズ・テラー内田夕夜
  2. テレンス・フレッチャー - J・K・シモンズ(壤晴彦)
  3. ジム・ニーマン - ポール・ライザー(佐々木敏
  4. ニコル - メリッサ・ブノワ(横山友香)
  5. ライアン・コノリー - オースティン・ストウェル(赤坂柾之)
  6. カール・タナー - ネイト・ラング(須藤翔)
  7. フランクおじさん - クリス・マルケイ
  8. Mr.クラマー - デイモン・ガプトン
  9. エマおばさん - スアンヌ・スポーク
  10. 寮の隣人 - マックス・カッシュ
  11. ダスティン - チャーリー・イアン
  12. ラヴィス - ジェイソン・ブレア
  13. グレッグ - コフィ・シリボー
  14. ソフィー - カヴィタ・パティル

レビュー

開始10分程度でこの映画は面白いと確信した。

主役は二人、アンドリュー・ニーマンと狂気の教師フレッチャー。
教師フレッチャーは素晴らしいミュージシャンを育てるために、生徒たちを追い込む、椅子を投げる、ビンタをする、音程があってないヤツがいる名乗り出ろといいスタジオを恐怖で支配し、音程があってる奴にお前だな?自分で音程があっているか言ってみろ!といい生徒に怒鳴りつける。生徒は萎縮してしまいあってませんといい、教師フレッチャーにスタジオから出て行け!という。その後の教師フレッチャーの言った言葉に俺は驚いた、「音程がずれていたのはやつじゃないお前だと」違うやつを言う。血祭りである。がこれが教師フレッチャーの指導方針で音楽への執念が無いやつは邪魔なのだろう。

ニーマンも少しづつ片鱗が見えてくる。食事会の時に友達は?いないと言う、続けてリャーリーパーカーは孤独だったが成功者だと言う。大人たちは酒とドラッグで34で破滅してしまうやつは成功者とは言わないという。しかしニーマンは食い下がらない、僕は破滅してもいい世に名前を残せればいい、健康で金持ちで90歳で世間に忘れ去られるより良いという。
そして彼女も音楽のために捨てる。偉大になるために女は要らないと言う。

そうして練習を続けドラマーとして力をつけていくニーマンだがある日、事故に会いそれでも血まみれのままステージに立ち演奏をするが、怪我でスティックも持てずまともな演奏ができない。ニーマンはブチ切れてステージ上で教師フレッチャーに殴り退学になるも。事故にあった理由はフレッチャーが無理な事言ったせいでニーマンが慌てて車を乗って脇見運転していた。 過去のこともあり教師フレッチャーも大学を去ることにになる。

ニーマン覚醒への布石

ある日ニーマンは街を歩いているとライブハウスの前で特別ゲストの演奏者フレッチャーの名を見つけ、ライブを見る。フレッチャーはピアノを演奏しているライブは難なく終わるが終わった瞬間フレッチャーは客の方を見るとニーマンと目が合うが、ニーマンは逃げるように立ち去ろうとするが、フレッチャーが声をかける。そのままその二人で酒を飲みながら会話をするがあの狂気の教師フレッチャーとは別人で笑顔や冗談を言い合ったりし合う。そしてフレッチャーが私が大学で何を目指していたかと語りだす。「私は生徒を期待以上の所まで押し上げたかった」「それこそが絶対的に必要なんだ」「そうでもしないと次のサッチモもチャリー・パーカーも生まれない」

そしてチャーリー・パーカーの過去の話を始める、10代の頃、ジャム・セッションでヘマをやらかし、ドラマーのジョージョーンズにシンバルを投げられ、観客から笑われながらステージを降りた。その夜、彼は泣きながら寝たが、翌朝から来る日も来る日も練習に没頭し、二度と笑いものにならないために、そして1年後因縁のステージにたち史上最高の素晴らしい演奏をした。 もしジョンズが「上出来」だと言っていたらチャーリーは満足し”バード”は生まれていない。フレッチャーはこの世で一番恐ろしい言葉は「上出来だ」と言う・・・・。ニーマンが反論する「でも一線がある、あなたはやりすぎた、次のチャーリー・パーカーを挫折させたかもしれない」フレッチャー「次のチャーリーは何があっても挫折しない」そして話は終わりフレッチャーが新しいバンドのドラムがよくないから入らないか?と誘う。曲は”キャラバン”・"ウィップラッシュ”とかその辺に慣れてるやつがいいと言う。

ストフェス(ライブ)

このフェスで成功すればブルーノートとの契約もある大舞台。フレッチャー「ここでヘマをすれば転職を考えろ、スカウトマンはヘマをした奴の顔を二度と忘れない」 そしてフェスが始まる直前ステージ上でドラムセットに座ったニーマン、譜面台の譜面にカメラが合う、曲名は”ウィップラッシュ”としっかり書かれている。次の瞬間フレッチャーが近づいてきて「私を舐めるなよ、密告したのはお前だろう」とあの狂気の教師フレッチャーの顔である。そして演奏開始前にフレッチャーは客に曲紹介をするが、曲名は”アップスウィンギン”!フレッチャーの復讐の開始である。 ニーマンは譜面を持っていないのだ。当然ながらニーマンの演奏はグズグズで横にいるウッドベースにもどやされるほど。ニーマンはハメられヘマをしてしまい。フレッチャーが近づいてきて「お前には才能が無い」と追撃をするかのようにニーマンに言い放つ。客の方見ると客も冷めた感じでニーマンは逃げるようにステージをあとにするが・・・。

ニーマンの覚醒

ステージを出て行く姿をニーマンの親父が見ていた。走ってステージ裏でニーマンを待つ、親父は息子のニーマンを抱きしめて「さあ 帰ろう」というがニーマンはここで覚醒する。
以前フレッチャーが言った「次のチャーリーは何があっても挫折しない」という言葉、そして親父の「さあ 帰ろう」は「上出来だ」に思えたのだろう。ハッ!としたニーマンはしっかりとした足取りでステージに戻りドラムセットに座る。フレッチャーもニーマンが戻って来たことに気がつくが無視し「次はスローな曲で・・・」と観客に曲紹介を中に勝手にニーマンがドラムを叩き始める。全くスローではない。横にいるウッドベースも唖然とするが、ニーマン「合図する”キャラバン”だ!・・・3,4」そして、ステージ上にいるフレッチャーに向かって「クソッタレ!」と言うのか口パクなのかわからないがとりあえず言っている。ドラムの演奏で声は聞こえない。さっきまでのニーマンとは目つきが違う自信満々の演奏である。フレッチャーが演奏中に近づいてきて「お前の目玉をくり抜いてやる」と言い放つも、顎かすめるかのようにシンバルを叩き追い返す。フレッチャーは仕方なく指揮台に戻りバンドの指揮に戻り、演奏は問題なく終わり照明も暗転するのだが、ニーマンはドラムを叩き続ける勝手にドラムソロを始める。照明役もアドリブをきかせ一度落とした照明をつけニーマンを照らす。フレッチャーが近づき「なんの真似だ!」と怒鳴る。ニーマン「合図する」と言う。主従が逆転する。ニーマンがステージを支配し始める。そのニーマンをみたフレッチャーはハッとした顔をして顔を縦に振りウンウンと頷く、彼も気づくこいつは本物かもしれないと。ドラムソロが続き音がだんだんフェードアウトして聞こえなくなり、またフェードインしてくる。ニーマン完全覚醒。今までの鬱憤をすべて吐き出すかのようなドラムさばき、あまりの勢いでシンバルが倒れてしまうが、フレッチャーが自ら立て直す。そしてニーマンと目と手で合図を送る。フレッチャーはウンウンと頷く、演奏から来る高ぶりもあるだろうが、それよりも第二のチャーリー・パーカーが生まれた瞬間を確信したといううなづきそして、着てたジャケットを脱ぎ本気モードで指揮を取る。ニーマンとフレッチャーが目が会いお互いに笑顔を浮かべ演奏が終了、エンドロール。

ラストの考察

フレッチャーもニーマンも序盤から少しおかしい周りの人とは違う、フレッチャーは指導者として本物のプレイヤーを育てたいと思っていた。生徒たちには挫折を体験させて覚醒させようとしている。だからやり過ぎで十分とも思っている。そして指導者もやりたいと思っていたのに指導者の職を失う。ラストのフェスでニーマンに演奏曲を嘘をついたのは、ニーマンが自分の行いをチクったと本当に思い単純な復讐だった、その復讐でニーマンはプレーヤーとして終わったと思ってしまったが。親父の「さあ 帰ろう」=「上出来だ」と取り。「次のチャーリーは何があっても挫折しない」を思い出し次のチャーリーは自分自身だと思い覚醒した。フレッチャーの復讐は半分本気で半分もしかしたら奴なら・・・との思いもあっただろう。最後の主従が逆転した時は最高にテンションが上った。

最後にCaravan

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